■ 流量の正確な補正方法
正確な流量補正値の算出方法
(抗がん剤や粘度の高い薬剤など)
輸液バッグの薬液を流し切ることで、その薬液の補正値を正確に算出する方法です。
輸液バッグの薬剤投与量は正確な記録が必要です
① 一度、現在把握している補正値で輸液を行ってください。
② 表(1)(2)(3) に沿って、輸液方法によって異なる「適正補正値の計算」をしてください。
【 薬剤の流量補正値算出表 】
● 抗がん剤などの適正補正値の算出手順
適性補正値 = 仮の補正値 ×(*FS表示の積算量 / 輸液バッグの薬液量)
*「FS表示の積算量」とは、輸液を流し切った際にFSに表示される積算量を指します。
① 輸液バッグの薬剤投与量を入力します。
② 輸液を開始する時の補正値を入力します。
・設定しないときは「仮の補正値100」を入力
・既に使用している補正値があればその数値
③ 輸液を流し切った際にFSに表示される積算量を入力します。
④ ①②③が入力されると、当該薬剤の正確な適正補正値が自動算出されます。
一度設定すると、同じ薬液の補正値情報は
正確な設定情報として、以降の輸液に
生かすことができます。
■ 限界流量の活かし方
自然落下式による輸液の限界流量は、
「輸液面と穿刺針の落差」と「穿刺針の種類(サイズ)」によって変化します。
(A)留置針(24G×3/4”)は、(B)翼状針(23G×3/4”)と比較して内径が大きいので流量を多く確保できます。
100mL/hの輸液を落差50cmで開始しようとする場合
(A)留置針は輸液が開始できます。
(B)翼状針では輸液が開始できません。60cm以上の落差が必要です。
*穿刺針のサイズによっても変化します。
ケースに合わせて高さを調整する事で、安定した輸液が可能になります。
CASE-1
患者さんがトイレなどで頻繁に立ち上がる
< 流量200mL/hで輸液を継続したい場合 >
CASE-2
血管外漏出を早期に察知したい
■正確な穿刺状態を確認します。
■設定流量に合わせて落差(m)を設定します。
<流量150mL/h(留置針:24G×3/4”)の場合>
設定流量に対する限界流量を小さく設定すると、少ない閉塞圧で流量減少のアラーム報知があります。
(注:穿刺部の少しの上げ下げで流量減少報知が出ることをご承知おきください。)
【 血管外漏出事例 】
赤発、痛み
水泡
びらん
硬結、壊死
CASE-3
高流量を確保したい
< 流量500mL/h(留置針:24G×3/4”)を設定する場合 >
■ スマートストップ機能と連続輸液
輸液バッグの薬液を流し切る事で、連続輸液のバッグ切換え作業が簡単になります。
(輸液ラインの特性もご活用ください。)
■ 輸液終了後の処置
輸液終了には薬液バッグに薬液が残った状態と空になった状態があります。
正確な対処方法で輸液管理が簡単になります。
薬液が残った状態で終了
時間モードで予定の輸液が終了した状態
●さらに輸液を継続するとき
・積算量クリアの場合 → 電源:切り →電源:入り
・流量や予定量を変更の場合 → 再設定 → スタート
●予定量が入り、残りの薬液も全て投与するとき
・メロディ鳴動 → ストップ → スタート で流し切る
薬液が無くなった状態で終了
輸液バッグが空になり自動停止した状態
●さらに輸液を継続するとき
・薬剤の交換 → 点滴筒の液面を上昇させ → スタート
*輸液バッグが空になると
点滴筒に薬液を残して
自動的に停止します。